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お一人様2個まで

新書サイズ 120P  ブラックパンサー キルチャラ キルモンガー生存ifのほのぼの短編集 以下本文抜粋 「エリック。話しがある」  ワカンダの歴史についての資料を集めた部屋を訪ねた。  エリックがここ数日通い詰めていることは知っていたからだ。  この資料室に保管されてる記憶媒体には特別な許可を得たキモヨビーズでしか接続できない。エリックのキモヨビーズには厳しい制限がかけられていて、王宮内で保管されるどの資料にもアクセス不可だった。  だが『どうしても調べたいことがある』と言うので、オコエの冷たい視線を感じる中、ティ・チャラは許可を出した。 『陛下はあの男に甘すぎです』  そうオコエに言われてしまったが、しかたないだろう。  見て欲しい……この無垢な寝顔を。  ティ・チャラは資料室の奥にあるテーブルに突っ伏して寝ているエリックを見つけた。  声をかけるのもはばかられるほど、すやすやと気持ちよさそうに寝ている。彼の眠るテーブルの前方、数センチの隙間から青白い光が天井に向かって一直線に伸びている。ティ・チャラはエリックの横に立ち、自分のキモヨビーズでその光を読み取った。  すると、目の前に映像が浮かぶ。  エリックが見ていた資料は、先日ティ・チャラが国連総会で行った演説の映像だった。  これが見たかったのか?  だったら、わざわざ資料室に来なくとも、自分が録画したものを持っていたのに。  ティ・チャラはエリックの顔を覗きこんだ。  伏せられたまつ毛は長く濃く、鼻の形は整っていて、少し尖った耳は彼の意地っ張りな性格を表しているようで愛らしい。それに、良く似合っているこのドレッドーーティ・チャラは指先で彼の額にかかるドレッドヘアに触れた。 「ん……」  エリックが声を漏らした。ティ・チャラは慌てて手を引っ込める。しかし、体を少し揺らしただけで起きたわけではないようだ。  ほっとし、ティ・チャラは観察を続ける。  彼の服装は、アメリカから取り寄せたごく普通のカジュアルなスタイルだ。Tシャツにジーンズ、時々パーカー。オコエは彼の服装に顔を顰める。用意したワカンダの衣装は着てくれない。『せっかく体にぴったりの作ったのにぃ』と嘆いていたのはシュリだ。特別な機能を付けたワカンダの民族衣装を作ったらしい。それを聞いてエリックは『絶対着ない』と言い切っていた。特別な機能とはなんだったのだろう……?  Tシャツの袖から出ているたくましい腕。ティ・チャラは触れるか触れないかのところまで指先を近づけた。  そこには無数のスカリフィケーションが施されている。彼がどんな思いを込めて肌を傷つけたのか、考えれば悲しくなる。だが、これも彼の人生の一部なのだ。ティ・チャラはそれを美しいと思うようになった。  最中に舌を這わせることもあるーーと、思い出して頬を熱くする。何を考えているのだ。まだ明るい時間だぞ。  しかし、実際のところ明るい時間でもエリックと体を重ねたことはあった。国外から客人が来ていた時のことだ。迎え入れる準備で慌ただしくしている最中、廊下ですれ違ったエリックに呼び止められ、近くの部屋に連れ込まれた。そこは、王宮で働く従者たちの休憩スペースだった。何で興奮したのか分からないエリックにキスされ、触られ、彼に感化されてティ・チャラも判断力を失うほど興奮した。廊下を行き来する従者の話し声が聞こえる。突然部屋に入って来てもおかしくない。そんな状況で下半身を晒し、壁に手を付いて、エリックを受け入れた。彼の大きなモノが体から出入りするたびに、ティ・チャラは声を上げた。あまり大きな動きをしないでくれ、と頼んだがエリックはティ・チャラの困っている様子すら楽しんでるようで、無邪気にティ・チャラを抱いた。  見つかるんじゃないかと怖かった。だが、本当のことを言えば……その恐怖が興奮をさらに強烈なものにさせた。  ティ・チャラは強い興奮に逆らえず、声を上げて達した。  あの時は、とても良かったーーみだらな思い出に耽っていたティ・チャラはいつの間にかエリックの首筋に触れて撫でていた。  危ない、と慌てて手を引っ込める。  いや、起こしても構わないか。だが、今彼を起こしてしまったら……今の顔を見られたらきっと『やらしいこと考えてたんだろ?』と言われるだろう。  エリックには隠し事は出来ない。彼はティ・チャラの心の中など御見通しなのだ。  きっと、彼にとってはつまらない恋愛相手だろう。駆け引きも出来ない……ただ彼の魅力の前に屈するだけなのだから。  ティ・チャラは美しい従兄弟の寝顔をしばし眺めてため息を吐き、結局起こさないでその場を去った。 ***  触れる感触に目が覚めた。  けれど、意識は覚醒しても体は眠っているようで動けない。  睡眠不足だと自覚している。体はまだまだ休養を欲しているのだ。だったら、体が目覚めるまで大人しくしていよう。  ティ・チャラは目を閉じたまま、じっとしていることに決めた。  しかし……触れる感触は去っていかない。  誰かが触ってる。頬を撫でている。優しい手だ。 「寝てるとまだ子どもみたいだ」  エリックの声だ。そうだ……エリックがあとで部屋に寄ると言っていた。それなのに、資料を見ている間に寝てしまったのだ。起きないと。しかし、体はまだ未覚醒だ。動かそうにも重たくて持ちあがらない。  エリックは手を丸め、指でゆっくりと下から上に向かって頬を撫でている。 「良く寝てる」  いいや、意識は覚醒している。エリック。もうちょっと待ってくれ。後少しで起きるから。 「疲れてるんだな……」  疲れてる。だが、お前の笑顔を見れば元気になれる。だから、早く起きたいんだが上手くいかない。  エリックが諦めて去る前に起きたいが、なかなか瞼も持ちあがらない。  しかし、エリックは根気強く待ってくれてるようだ。頬を撫でた後は髪を撫で、耳たぶに触れる。耳は敏感だ。触れられて体がぴくっと反応したが、エリックは気づかなかったようだ。 「綺麗な耳だ」  綺麗な耳……? 耳を褒められたのは初めてな気がする……。耳の美醜とは、どこで判断するのだろうか。 「唇も」  と、今度は唇に触れて来た。寝てると思っているだろうに、大胆だな。  エリックが人差し指らしき指で唇の表面を撫でたあと、今度は親指とみられる指でぐいーっと下唇を押してきた。指が中の濡れた粘膜に触れる。唾液が付く。何をしてるんだ?  頭の中に『???』が浮かぶ。しかしまだ体が動かない。意識だけ覚醒している状態は、とても鬱陶しい。 「この唇に……何度俺のを咥えさせたかな?」  卑猥なことを言い出した。  やめろ、エリック。恥ずかしい。そう言えないのがもどかしい。 「最初のころは慣れなくて、先をぺろぺろ舐めるぐらいがやっとだったけど……最近は、自分から咥えるもんな」  自分から咥えてなんてない……と思ったが、いや、咥えてる。  エリックが焦らすから早く欲しいと言って自分から彼の股間に顔をうずめ、彼の勃起を口に含んだ。一度だけじゃない、何度もある。数えきれないぐらい。エリックは焦らすのが上手くて、ティ・チャラはいつもそれに乗ってしまう。情けないと思う。もっと、彼と対等に渡り合いたい。経験値が違い過ぎるのだ……。 「普段は澄ました顔して演説とかしてんのに……同じ口ですごいエロいこと出来るんだな、国王陛下」  かあ、と体温が上がる。反論したい。しかし何を反論する? エリックが言ってることは正しい。世界の不平等を失くすと語った同じ口でエリックの体中にキスをし、勃起を丁寧に愛撫する。  いや、これは恥じることではない。しっかりしろ。まったく悪いことではない。自分の考えを述べることと、大切な人と愛し合うこと……どちらも大切なことだ。だけれど、やっぱりセックスについては口に出して改めて説明されると恥ずかしい。 「俺の体みたら、ヨダレたらして悦ぶしな……そんな姿みたら、ティ・チャラ国王陛下を敬愛する国民のみなさんはどう思うだろうな……怒るかな? それとも、お慕いしている陛下のエロ話聞けて喜ぶか?」  親指を大胆にも口の中に押し込んできた。 「んっむ……」 「起きてるんだろ、ティ・チャラ。寝たふりすんなよ」  エリックの言葉を合図に、体が動き出した。ティ・チャラは瞼を押し上げて目を開く。エリックがティ・チャラが座っているソファーの脇にしゃがんでいた。 「最初っから起きてただろ」 「……頭は起きていたが体は寝ていた」 「なんだそれ? 金縛りか?」 「ん……いや、ちょっと違う……もっと穏やかな感じだ」 「分かんねえな」  と、言いながらまた口の中に指を入れて来ようとする。ティ・チャラは顔をそらして「エリック!」と叱った。 「オモチャにするな」 「寝てる方が悪い」  そう言って、ちゅっと軽く唇にキスをしてきた。「この間の仕返しだ」

新書サイズ 120P  ブラックパンサー キルチャラ キルモンガー生存ifのほのぼの短編集 以下本文抜粋 「エリック。話しがある」  ワカンダの歴史についての資料を集めた部屋を訪ねた。  エリックがここ数日通い詰めていることは知っていたからだ。  この資料室に保管されてる記憶媒体には特別な許可を得たキモヨビーズでしか接続できない。エリックのキモヨビーズには厳しい制限がかけられていて、王宮内で保管されるどの資料にもアクセス不可だった。  だが『どうしても調べたいことがある』と言うので、オコエの冷たい視線を感じる中、ティ・チャラは許可を出した。 『陛下はあの男に甘すぎです』  そうオコエに言われてしまったが、しかたないだろう。  見て欲しい……この無垢な寝顔を。  ティ・チャラは資料室の奥にあるテーブルに突っ伏して寝ているエリックを見つけた。  声をかけるのもはばかられるほど、すやすやと気持ちよさそうに寝ている。彼の眠るテーブルの前方、数センチの隙間から青白い光が天井に向かって一直線に伸びている。ティ・チャラはエリックの横に立ち、自分のキモヨビーズでその光を読み取った。  すると、目の前に映像が浮かぶ。  エリックが見ていた資料は、先日ティ・チャラが国連総会で行った演説の映像だった。  これが見たかったのか?  だったら、わざわざ資料室に来なくとも、自分が録画したものを持っていたのに。  ティ・チャラはエリックの顔を覗きこんだ。  伏せられたまつ毛は長く濃く、鼻の形は整っていて、少し尖った耳は彼の意地っ張りな性格を表しているようで愛らしい。それに、良く似合っているこのドレッドーーティ・チャラは指先で彼の額にかかるドレッドヘアに触れた。 「ん……」  エリックが声を漏らした。ティ・チャラは慌てて手を引っ込める。しかし、体を少し揺らしただけで起きたわけではないようだ。  ほっとし、ティ・チャラは観察を続ける。  彼の服装は、アメリカから取り寄せたごく普通のカジュアルなスタイルだ。Tシャツにジーンズ、時々パーカー。オコエは彼の服装に顔を顰める。用意したワカンダの衣装は着てくれない。『せっかく体にぴったりの作ったのにぃ』と嘆いていたのはシュリだ。特別な機能を付けたワカンダの民族衣装を作ったらしい。それを聞いてエリックは『絶対着ない』と言い切っていた。特別な機能とはなんだったのだろう……?  Tシャツの袖から出ているたくましい腕。ティ・チャラは触れるか触れないかのところまで指先を近づけた。  そこには無数のスカリフィケーションが施されている。彼がどんな思いを込めて肌を傷つけたのか、考えれば悲しくなる。だが、これも彼の人生の一部なのだ。ティ・チャラはそれを美しいと思うようになった。  最中に舌を這わせることもあるーーと、思い出して頬を熱くする。何を考えているのだ。まだ明るい時間だぞ。  しかし、実際のところ明るい時間でもエリックと体を重ねたことはあった。国外から客人が来ていた時のことだ。迎え入れる準備で慌ただしくしている最中、廊下ですれ違ったエリックに呼び止められ、近くの部屋に連れ込まれた。そこは、王宮で働く従者たちの休憩スペースだった。何で興奮したのか分からないエリックにキスされ、触られ、彼に感化されてティ・チャラも判断力を失うほど興奮した。廊下を行き来する従者の話し声が聞こえる。突然部屋に入って来てもおかしくない。そんな状況で下半身を晒し、壁に手を付いて、エリックを受け入れた。彼の大きなモノが体から出入りするたびに、ティ・チャラは声を上げた。あまり大きな動きをしないでくれ、と頼んだがエリックはティ・チャラの困っている様子すら楽しんでるようで、無邪気にティ・チャラを抱いた。  見つかるんじゃないかと怖かった。だが、本当のことを言えば……その恐怖が興奮をさらに強烈なものにさせた。  ティ・チャラは強い興奮に逆らえず、声を上げて達した。  あの時は、とても良かったーーみだらな思い出に耽っていたティ・チャラはいつの間にかエリックの首筋に触れて撫でていた。  危ない、と慌てて手を引っ込める。  いや、起こしても構わないか。だが、今彼を起こしてしまったら……今の顔を見られたらきっと『やらしいこと考えてたんだろ?』と言われるだろう。  エリックには隠し事は出来ない。彼はティ・チャラの心の中など御見通しなのだ。  きっと、彼にとってはつまらない恋愛相手だろう。駆け引きも出来ない……ただ彼の魅力の前に屈するだけなのだから。  ティ・チャラは美しい従兄弟の寝顔をしばし眺めてため息を吐き、結局起こさないでその場を去った。 ***  触れる感触に目が覚めた。  けれど、意識は覚醒しても体は眠っているようで動けない。  睡眠不足だと自覚している。体はまだまだ休養を欲しているのだ。だったら、体が目覚めるまで大人しくしていよう。  ティ・チャラは目を閉じたまま、じっとしていることに決めた。  しかし……触れる感触は去っていかない。  誰かが触ってる。頬を撫でている。優しい手だ。 「寝てるとまだ子どもみたいだ」  エリックの声だ。そうだ……エリックがあとで部屋に寄ると言っていた。それなのに、資料を見ている間に寝てしまったのだ。起きないと。しかし、体はまだ未覚醒だ。動かそうにも重たくて持ちあがらない。  エリックは手を丸め、指でゆっくりと下から上に向かって頬を撫でている。 「良く寝てる」  いいや、意識は覚醒している。エリック。もうちょっと待ってくれ。後少しで起きるから。 「疲れてるんだな……」  疲れてる。だが、お前の笑顔を見れば元気になれる。だから、早く起きたいんだが上手くいかない。  エリックが諦めて去る前に起きたいが、なかなか瞼も持ちあがらない。  しかし、エリックは根気強く待ってくれてるようだ。頬を撫でた後は髪を撫で、耳たぶに触れる。耳は敏感だ。触れられて体がぴくっと反応したが、エリックは気づかなかったようだ。 「綺麗な耳だ」  綺麗な耳……? 耳を褒められたのは初めてな気がする……。耳の美醜とは、どこで判断するのだろうか。 「唇も」  と、今度は唇に触れて来た。寝てると思っているだろうに、大胆だな。  エリックが人差し指らしき指で唇の表面を撫でたあと、今度は親指とみられる指でぐいーっと下唇を押してきた。指が中の濡れた粘膜に触れる。唾液が付く。何をしてるんだ?  頭の中に『???』が浮かぶ。しかしまだ体が動かない。意識だけ覚醒している状態は、とても鬱陶しい。 「この唇に……何度俺のを咥えさせたかな?」  卑猥なことを言い出した。  やめろ、エリック。恥ずかしい。そう言えないのがもどかしい。 「最初のころは慣れなくて、先をぺろぺろ舐めるぐらいがやっとだったけど……最近は、自分から咥えるもんな」  自分から咥えてなんてない……と思ったが、いや、咥えてる。  エリックが焦らすから早く欲しいと言って自分から彼の股間に顔をうずめ、彼の勃起を口に含んだ。一度だけじゃない、何度もある。数えきれないぐらい。エリックは焦らすのが上手くて、ティ・チャラはいつもそれに乗ってしまう。情けないと思う。もっと、彼と対等に渡り合いたい。経験値が違い過ぎるのだ……。 「普段は澄ました顔して演説とかしてんのに……同じ口ですごいエロいこと出来るんだな、国王陛下」  かあ、と体温が上がる。反論したい。しかし何を反論する? エリックが言ってることは正しい。世界の不平等を失くすと語った同じ口でエリックの体中にキスをし、勃起を丁寧に愛撫する。  いや、これは恥じることではない。しっかりしろ。まったく悪いことではない。自分の考えを述べることと、大切な人と愛し合うこと……どちらも大切なことだ。だけれど、やっぱりセックスについては口に出して改めて説明されると恥ずかしい。 「俺の体みたら、ヨダレたらして悦ぶしな……そんな姿みたら、ティ・チャラ国王陛下を敬愛する国民のみなさんはどう思うだろうな……怒るかな? それとも、お慕いしている陛下のエロ話聞けて喜ぶか?」  親指を大胆にも口の中に押し込んできた。 「んっむ……」 「起きてるんだろ、ティ・チャラ。寝たふりすんなよ」  エリックの言葉を合図に、体が動き出した。ティ・チャラは瞼を押し上げて目を開く。エリックがティ・チャラが座っているソファーの脇にしゃがんでいた。 「最初っから起きてただろ」 「……頭は起きていたが体は寝ていた」 「なんだそれ? 金縛りか?」 「ん……いや、ちょっと違う……もっと穏やかな感じだ」 「分かんねえな」  と、言いながらまた口の中に指を入れて来ようとする。ティ・チャラは顔をそらして「エリック!」と叱った。 「オモチャにするな」 「寝てる方が悪い」  そう言って、ちゅっと軽く唇にキスをしてきた。「この間の仕返しだ」